電車の中で
東海道線のボックスシートの前に私は立っていました。そこには4人が座っていて、私に一番近いところにいたのが若い女性。その隣にはおばさん、向かい側にはオッサンが座っていました。で、その若い女性の正面のオッサンが眠気をこらえきれずに寝ちゃうんですが、隣にもたれかかって嫌がられるのが普通なのに、オッサンは床屋で頭を洗うように前にバッタリいくんです。
女性は本を読んでいたので、本でガードして気づかないふりをしつつ、膝の上の荷物をわざといじったりしてオッサンを牽制してました。が、オッサンの眠気もよほどのものらしく、て言うか、もしかしたら脳軟化の発作でもおきてるんじゃないのかぐらいの勢いでまたバッタリいってしまいます。女性の膝に顔がつきそうなくらい。さすがに本を読んでて気がつかないふりももうできません。
どうするんだろうなー、と私としては思うわけです。オッサンの前に立っている男は知らん顔で本を読んでるし、オッサンの隣に座っている別のオッサンは寝たふりとか何かごまかすようなことも何もせずに知らん顔。女性の隣のおばさんはそわそわ。別にオッサンは怖そうでも強そうでもないんだから一度「すみません!」って言えばいいのに、当の被害者たる女性はただ座りなおしたり荷物を動かしたりするばかり。
ちょっと誰か、「もしもし、ご気分でも悪くされたのですか?」ぐらい言えよ。ほっといたらこのオッサン、女性の股間に顔うずめちゃうよ。でも被害者本人をさしおいて俺が言うのもなあ…って、それが見てみぬふりをする者の論理なんですけど。いやー、しかし、日本人って冷たいよなあ、誰か助けてやればいいのに。こんなに何人もいて全員知らんふりかよ。って俺もか。くそっ。
で、結局私は無言でオッサンの肩をつかんで上体を起こさせたのです。で、そのことに対するリアクションを示したのは「悪い悪い」みたいに手を上げた加害オッサン(←悪気はないんですが)ただ一人でした。女性が「ありがとう」を言うわけはないのですが、にしても目礼って言うか、ちらっと私を見てくれないかなあとちょっと思いました。横顔が美人だったので正面から見たかったのに。
ま、考えてみれば、大したことをしたわけでもないのですが、その大したことでもないことを実行に移すまでに私の中には高くて厚い壁があったし、他の男たちは意識して、あるいは無意識に無関心でいたわけで、やっぱりそういう雰囲気になってる日本はおかしいぞと思ったのでした。
« 名実ともに | Main | コペン号受難の日 »


Comments
ほんと、見て見ぬふりはダメですよね!
その女の人もお礼を言いたかったと思うけど、恥ずかしかったんじゃないかな?って思いますよ。
絶対心の中では「ありがと~」って思ってるはず。
私だったらおっさんの頭をぱこ~ん!ってはたくと思いますけど!
Posted by: オレンジペコちゃん | 2004年7月19日星期一 at 下午2:25
オッサンの頭をぱこーん!って、いいですね。胸のすくシーンになりそうです。私もあの時はオッサンの頭ひっぱたこうかなと思いました。で、オッサン起きたら知らん顔。ただ、これは周りの人みんなが私の意図を汲んで一緒に知らん顔してくれないと成立しないんですよね。知らない人と阿吽の呼吸でこういうのができたら楽しいのになあ。
Posted by: あきやま | 2004年7月19日星期一 at 下午9:55